丸鋼を引張り材に使ったトラス組の例。
今回の末尾に、この部分の設計図(断面図)を載せてあります。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
[2日 10.25 リンク先追加][2日 18.05 文言追加]
前回に続き、設計講座のテキストから小屋組の残り:トラス組と合掌組の解説部分を転載します。
ここで引用させていただいている書物は、彰国社から出ていた「木造の詳細」。構造編、仕上編、住宅設計編の全3冊からなっています。初心者には大変分りやすかった。
私が参考にしたのは、現在の法令規定前の出版。現在、どのように変っているのか(出版されているのか、も)不詳です。
次は、その書から、詳細図と部材の標準的寸法と仕口の部分の抜粋です。
木造トラス組の実例は、最近の建物では少ないようです。
以下に、明治期の建物で使われている木造トラス組を紹介します。
一つは学校、もう一つは銀行の建物。
いずれも「修理工事報告書」から転載、編集させていただいています。
次に、筆者が関わった木造トラス組の設計例と海外の現代建築の事例。
上の2例:小学校と幼稚園は、いずれも丸鋼を引張り材に使ったトラス組です。
下段は、この設計のヒントになったヘイッキ・シレンの教会の建物。トラスの話のときに紹介したと思います。
なお、トラス組の生まれた謂れについて、「建築学講義録」に、構造力学を用いない分りやすい解説があります。
構造力学の誕生前からトラス組はあったのですから、このような解説が為されて
当たり前と言えば当たり前な話なのです・・・・。
今の構造の専門家に、こういう解説はできるでしょうか、はなはだ疑問です。
下記をご覧ください。[2日 10.25 リンク先、文言追加][2日 18.05 文言追加]
トラス組・・・・古く、今もなお新鮮な技術−3
以下は、上のカラー写真の小学校の木造トラス組の詳細図(部分)。
上段左側の写真を拡大したのが冒頭の写真です。
梁間は7,200mm。約4間。トラスは各所共通です。
他の海外の事例をいくつか紹介します。
日本では、張弦梁などの事例は多く見かけますが、トラス組の事例は少ない。
戦後、日本でつくられた(と考えられる)木造トラスの事例を下記で紹介しています。[2日 10.25 リンク先追加]
みごとなトラス組・・・・尾花沢・宮澤中学校の旧体育館
次いで、トラス組の一と考えられる合掌組について。
以下は、テキストのまとめの部分。西欧の小屋組の事例(断面)をいくつか。
最後に付録。冒頭の写真の部分の設計図。
この建物は、RCの躯体に小屋は木造トラス組、屋根の仕上げは瓦葺です。
次回は「日本家屋構造」本体の紹介を続けます。