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Channel: 建築をめぐる話・・・つくることの原点を考える    下山眞司        
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続・何のためのデータ?

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例の「杭打ちデータ事件」、杭打ち施工を担当した技術者一人に「責任」を負わせようとする「動き」があるように思えます。理不尽な話です。
通常、杭打ちが終ると、次に、建物の底になる部分を杭頭に載せる工事に入ることになります。当然、建設工事担当業者:いわゆる工事施工会社の現場統括責任者:現場事務所長:は、「次の段階に進められるかどうか」の「判断」を行うはずです。それゆえ、今回の「事件」は、その段階で、現場責任者は「GOの判断」すなわち「次の段階に入ってよい」という判断を下した、ということになります。「適切に杭打ちが完了した」という「判断」です。これが、いわゆる「監理」です。したがって、事後に「杭打ちが適切でないということが分った」としたら、その責任は、単に一技術者の問題ではなく、「現場事務所」=「施工会社」の(設計監理業務を請け負った事務所があればその事務所も含め)、「工事に対する姿勢」の問題になるのが当然なのです。
ところが、事態の経緯を見ていると、いわば「懸命になってそうなることを避けようと動いている」、としか見えません。世の中の「信頼が揺らぐことを恐れている」のでしょうが、かえって逆に「信頼を損ねることになる」のが分っていないようです。
メディアもようやくそのあたりに言及しはじめたようです。今朝の毎日新聞に、建設地の地盤の成り立ちについても含め、解説する記事が載っていました(用語が、記事では「管理」になっていますが、「監理」の方が適切だと思います)。
   監理:物事が順調に進行するように責任をもって監督・指導すること。(「新明解国語辞典」)

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