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Channel: 建築をめぐる話・・・つくることの原点を考える    下山眞司        
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心して いなければならない

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「通販生活」という名称は、多くの方が知っておられることと思います。字の通り、商品の通信販売、「通販生活」という出版物:カタログを定期刊行しています。
その冊子の編集「理念」は、極めて明快・明解。商品の紹介とともに、常に、護憲、反戦、脱原発のメッセージを発し続けている。
その巻頭に「山椒言(さんしょう げん)」という普通の雑誌の「巻頭言」にあたるコラムがある。「山椒は小粒でも・・・・」にあやかっての標題と思います。その通り、毎号、鋭い指摘。

今号の「山椒言」を下に転載させていただきます(元はカラー版ですが、版面の関係でモノクロにしています)。
永くアフガニスタンで生活・医療の支援を続けてこられているペシャワール会の代表、中村 哲 氏の発言です。
現場の声は、何ものにも勝る強い訴求力があります。

字が小さくて恐縮です。後半部を書き写します。原文のままですが段落は変えてあります。
  ・・・・だが、日本から届く報道は、情けないものだ。人の命に関る重大事も、取ってつけた様な政治論議で薄れてしまう。
  特に、集団的自衛権に絡む「駆け付け警護」(原注 現地で武装集団に襲われたNGOなどを武器を使って助けること)には唖然とした。
  二流西部劇に似ている。
  現地がまるで野蛮人の巣窟で、文明国の部隊が護ってやらねばならぬような驕りである。
  これは主権侵害というものであって、われわれの事業と安全を守るのは現地の住民と行政だ。
  そこには我々と同じく、血もあり文化もある人びとが暮していることが眼中になかった。
  日本はこれまで、アフガニスタン国内では民生支援に専念してきた。
  そのことが日本への信頼であり、我々の安全保障であった。それが覆されようとしている。
  戦争の実態を知らぬ指導者たちが勇ましく吠え、心ない者が排外的な憎悪を煽る。「経済成長」が信仰にまで高められ、そのためなら何でもする。
  武器を売り、原発を復活し、いつでも戦ができるよう準備するのだという。
  それが愛国的で積極的平和だとすれば、これを羊頭狗肉という。
  アフガンへの軍事介入そのものが、欧米諸国の集団的自衛権の行使そのものであり、その惨憺たる結末を我々は見てきた。
  危機が身近に、祖国が遠くになってきた。実のない世界である。         
                                                                  2014年12月 アフガニスタンより  

毎日新聞の特集「この国はどこに行こうとしているのか」にもリンクします。いろいろな人へのインタビューの要録です。
なお、ここから、同シリーズの他の方へのインタビュー記事にも寄ることができます。[追記10日 16.50]

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