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“THE MEDIEVAL HOUSES of KENT”の紹介-32

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先回から大分時間が経ちました、「続き」を載せます。      *************************************************************************************************************************

Structural details of Wealdens  

Wealden 形式を特徴づける二階部分の前面への跳ね出しと一体屋根は、当初から存在するが、初期の事例のいくつかには、細部の架構法や、木材の継手・仕口の点で、Wealden 形式と見なすことに躊躇う例がある。Wealden の中央部の小屋組には、通常とは逆に、wall plate :桁が、柱と梁の間ではなく梁の上に置かれる事例が普通に見られる。
   註 wall plate を桁と訳しています。下掲の fig83 を参照ください。
     梁の上に桁を置くというのは日本の折置組、つまり、先ず梁を柱で承け、その上に桁を架ける方式、
     wall plate :桁を柱と梁の間に置くとは、京呂組:先ず桁を柱に架け、その上に梁を架ける工法を指している、と解しました。
そこでは、梁は hall の表側の壁を越えて伸び、桁はそこに載せ掛けられるので、桁は hall の前面を横切る形となっている。
   註 この部分の文意は、日本の「出桁(だしげた、でがた)づくり」に相当する技法のことと推察します。fig80b、fig81 参照。
当然、この技法は背面でも使われる。そして、このいわば初期の技法は、Wealden 形式の架構で使われ続けている。しかし、14世紀後期から15世紀ごく初期の Wealden では、この技法が建物の他の部分でも、適宜に用いられている。fig79 の CHART HALL FARMHOUSE と SANDWICH 近郊の ASH にある UPHOUSDEN FARM では、柱が横向きに据えられている。これは、桁と梁の享け台になる部分を広くするためと考えられる。
   註 これは、fig79 桁行断面図の左から2本目の柱のような例を指しているものと解します。
しかし、この2例に見られる方法は、一般的ではなく、後期の Wealden 形式の建物で、架構上の問題を解決するために採られたいろいろな方策の一つに過ぎない。この方策は、通常は hall 中央部の軸組・小屋組に用いられるが、 fig80b の1399年建設の WEST COURT(在 COLDRED の SHEPHERDSWELL )では hall 端部の仕切壁部分の軸組・小屋組でも使われている。 これらは架構上では些細な部分に過ぎないが、世紀の変わり目の頃になっても、Wealden形式の工法は、まだ形成期にあったことを示している。この工法が未完成であったことは、1400年近辺建設のWealden 工法の事例に、片側に aisle:側廊=下屋 のある建物が見つかっていることでも明らかである。
Wealden形式の後期の事例には、更にいろいろな技法が見られる。しかし、fig81 に見られるような一つの「典型」で建てられることは決してなかった。fig81 は、Wealden 形式の中でも最も洗練されている二つの遺構の中央部の軸組・小屋組の断面図である。fig81a の THE MANOR HOUSE は、前面と背面に(屋根:小屋が)跳ね出していて、必然的に、桁は延ばされた梁の上に設けられ出桁になっている。fig81b の THE OLD PALACE では、高く反り返った brace :方杖が使われている。これは、最も後期の open hall によくある架構を強調するための colonettes と同趣旨の装飾の一と考えられる。  
   註 colonettes :A small, relatively thin column, often used for decoration or to support an arcade.
この例では、桁は梁の下に設けられた腕木上に置かれ、屋根勾配は前後で異なっている。これは、小屋の眞束が、小屋組:屋根の中央ではなく、hall の中央にくるように設置されているからである。
   註 桁を腕木で承ける方策が、なぜ片側だけ採られているのか、分りません。
hall と二階建部分との接続法には、各種の方策が採られている。hall と二階建て部分とを、一つ屋根の下で前面に跳ね出すWealden 形式のつくりは、建屋をすべて二階建で造るようになるまで続いている。Wealden 形式のつくりで総二階建の一つの事例が、STAPLEHURST 、LITTLE HARTS HEATH の調査で確認された1507年の建設の建物である。これは、総二階建建物の最も初期の事例の一つで、おそらく総二階建住居の「効能」がまだ十分に理解されていなかった頃の建設と考えられる。

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