Quantcast
Channel: 建築をめぐる話・・・つくることの原点を考える    下山眞司        
Viewing all articles
Browse latest Browse all 514

下請け、それとも協働者?

$
0
0
少し下火になってきましたが、例の「杭打ちデータねつ造事件」。杭打ち施工会社あるいは現場担当者個人に責任を「集約」しておしまいにしようという「魂胆」が見え見えです。
この杭打ち担当者を「下請け」と呼ぶのが大方のメディアです。
では、「下請け」という語の語義は何か。
「親会社などが引き受けた仕事を他の者がさらに請け負ってやること」との解説は「新明解国語辞典」。
「請け負った人から、その仕事の全部または一部をさらに請け負うこと」という解説は「広辞苑」。

「ものづくり」の場面で、何から何まで、すべて一人でこなす(つまり、必要な材料や作業に必要な道具や諸品・・・などをすべて自前で用意し仕事する・・)、ということはあり得ません。
そのあたりについて触れたコラムを見つけました。数日前の信濃毎日新聞のコラム「斜面」です。web 版から転載します。

つまり、一つの仕事は、多くの人びとの「協力」の下で為されるのです。そのとき、その「協力」した人びとは、辞書の言う「下請け」でしょうか?
否です。あくまでもそれは「協働者」「協力者」なのです。かつての大工棟梁は、そのことがよく分かっていたのです。
現在の施工会社に、その「意識」があったならば、杭打ちミスの責任を一部の者に転嫁して済ます、などということはありえないのです。

   なお、記事の中に、かつての工法(いわゆる「伝統的工法」でつくられた家屋には倒壊事例がなかった、とのことが書かれています。
   確かに、当時報道された映像でも、そのような印象をもったことを覚えています。詳細な「報告」を知りたいと思ってます。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 514

Trending Articles