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Channel: 建築をめぐる話・・・つくることの原点を考える    下山眞司        
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続々・「手摺」考・・・訂正

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ヤマザクラが咲きだしています。この風情の方が、私は好きです。今朝、近くの林中で。


昨日、例の《斬新な》手摺のある駅に行く機会があり、あらためて、その手摺を横から眺めて、先の「階段の簓状に倣って段状・簓状の形をしている」旨の説明描写は正しくないことに気付きました。
正確に描写し直すと、次のようになるでしょう。
ほぼ水平の部分が、ほぼ踏み面の長さほどあり、そこでパイプは円弧状におよそ100度~120度ぐらいの角度を成して斜め下に曲がり、ほぼ蹴上げ寸法程度の高さ分降りると逆に同様の円弧を描き水平部分に移ります。
これを連続して繰り返しますから、横から見ると、全体は「波線」の形をしていることになります。そしてそのリズムは、階段の簓形とは直接的には無関係のようです。

しかし、いずれにしろ、手摺に頼ろうとする者にとって、これが使い物にならないことには、何の変りもありません。

今回は、用心のため、杖を持参していましたが、降りるときに、この手摺の使用に《挑戦してみよう》と試みました。
この手摺は、左側通行の階段の降りる側、つまり、左側の壁に付いています。ゆえに左手で使います。
ほぼ水平のところは問題はないのですが、斜めに曲がり下るところで、手首をが下向きにしてパイプに接する、あるいは握る、ことになります。[文言改変]
そういった手首が下向きでパイプを握る姿勢は、健常であっても、万一の時、体を手で支えるのは、かなり難しいはずです。ゆえに、そのとき、「不安」を感じます。[文言改変]
したがって、この手摺に頼ると、手摺の波形のリズムで「不安」が繰り返し襲ってくることになります。
これでは手摺に頼る意味がない。
そこで、二段ほど手摺を使って、結局この手摺に頼るのはやめて、右側にある「普通の」手摺を使いました。

そこで、新たな疑問が生じました。この「波形手摺」の「発想」は、いったい何に拠っているのだろうか?
いろいろ想像してみましたが、分らずじまいです。
ただ、「普通」: ordinary ということの「意味」をも考える契機にはなりました。

さて、この《斬新な手摺》のある駅は、JR御茶ノ水駅です。同駅の「お茶の水橋口」のホームへ降りる階段の左側壁に付いています。
御用とお急ぎでない方は、人混みの少ない頃合いを見計らって、「体験」してみていただくと、多くの「知見」が得られるのではないかと思います。

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