おどろおどろしくなる前のケヤキの若葉が鮮やかです。
連休中に、あらためて日本国憲法第9条を読んでみました。
この条項を「改正」あるいは撤廃したいと考える人びとは、いったい何を「改正」したいのだろう?、と訝ったからです。
そこで、先ず「改正」とは、何を言うのか、いかなることを意味するのか、調べてみました。
手元の辞書には、次のようにあります。
〇[法令・条約・規則などの]不十分な点や行き過ぎに手を入れて、円滑な運営を図る上でよりよい状態にすること。(「新明解国語辞典」)
〇改め変えること。正しく改めること。(「広辞苑」)
〇改めただす。改めてよくする。(「新漢和辞典」)
英語では revise , reyision と言うようです。
では、そもそも、「正しい」「正」とはどういうことか?
これも辞書に拠れば、次のようになります。
「正しい」:①道理・法に合っている様子だ。②真理・事実などに合っていて、偽りやまちがいがない。③基準に合っている様子だ。(「新明解国語辞典」)
:①まがっていない。よこしまでない。②道理や法にかなっている。③整っている、乱れていない。(「広辞苑」)
この視点で、どこが「改正」を要するのか、第9条を読んでみました。
第9条の全文は次の通りです。
第2章 戦争の放棄
戦争の放棄と戦力及び交戦権の否認
第9条
1.日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、
国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2.前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
何度読んでも、私には、「正しくない」個所、つまり「改正しなければならない箇所」はまったく見当りません。むしろ、読めば読むほど、襟をただし、姿勢をピンとしたくなります。
この条項を「なきものにしたい」と考えるには、それこそ「よこしまな(道理にはずれた)《思い》がなければ考え及ばないはずだ」、と私には思えます。
何度も読んでみました。内容の濃い名文だと思います。